3D Slicer
アフィリエイト広告・PR

3D Slicerの使い方 – 重ね合わせ画像を使ったマルチスライス画像の作り方

小倉 淳
記事内に商品プロモーションを含みます

こんにちは、個人事業OguLinks代表の小倉(@jun_ogulinks)です。

3次元画像を扱っていると全体把握のために一定間隔で切ったマルチスライス画像が欲しくなります。

SPM (Statistical Parametric Mapping) では統計解析結果をマルチスライスにすることができますが、統計処理していない画像に対しては自分が確認したところできなさそうでした。

また、マルチスライス画像を作るソフトウェアはMRIcronAMIDE (Amide’s a Medical Imaging Data Examiner) などもあります。

しかし、カスタマイズ性や操作性を考えると3D Slicerの方が優れているのではないかと個人的には考えています。

そこで今回は3D Slicerを使ったマルチスライス画像の作製方法を紹介していきます。

また、バックグラウンドにMRI画像、フォアグラウンドにPET画像としたfusion画像(重ね合わせ画像)のマルチスライスについて扱っていきます。

後半の有料部分(100円)ではマルチスライス画像の列数の指定法や余計な部分が映りこんでしまう場合の回避方法などについても紹介しています。

スポンサーリンク

Screen Captureモジュールのlightboxモードを利用する

結論から言うと、3D Slicerでマルチスライス画像を作るには標準実装されていScreen Captureモジュールを利用します。

具体的な話に入る前に少しだけ背景を説明します。

とあるきっかけで私もマルチスライス画像の作り方を知りたいと思ったのですが、いつも使っている3D Slicerで作れないものかと調べていたところ以下の情報を見つけました。

質問者は私と同じことをしたいがどうしたら良いか教えて欲しいということでした。

その回答にはScreen Captureモジュールでlightbox modeを使うとできるよ、と記載されていました。

Screen Captureモジュールのlightboxモードでマルチスライス画像作れるよ。

Screen Captureモジュールはlightbox modeによるマルチスライス画像の作製の他、アニメーションを作ることもできます。

そのため、Screen Captureモジュールはプレゼン用や論文用の画像を作るのに便利な機能です。

少々前置きが長くなってしまいましたが、具体的な操作方法をみていきましょう。

画像データの準備とScreen Captureモジュールの呼び出し

まず操作手順の解説に使用するデータですが、これは以下の記事で使用したものを今回も使います。

手持ちの画像がない方はこちらの記事を参考に画像データを用意してください。

関連記事
3D Slicerの使い方 基本の基 データインポートからカラーバーの出し方まで
3D Slicerの使い方 基本の基 データインポートからカラーバーの出し方まで

前回同様、ラットのMRI T2Wとそれに対応したFDG PETのテンプレート画像を用います。

データのインポートが完了したらバックグラウンドにMRI T2W、フォアグラウンドにFDG PETテンプレート画像を配置して表示してください(上の記事参照)。

今回、カラーのレンジはマルチスライスにしたとき変化が分かりやすそうな値にしています。

適当に設定してありますので、もし自前の画像を使う場合は適宜最適な値になるよう設定しておいてください。

そこまで終わったら、モジュール一覧 > Utilities > Screen Captureの順でクリックします。

Screen Captureモジュールの画面になったら下図の矢印の部分を図と同じように編集します。

Master view

View1, Red, Green, Yellowから選択できます。

これは右側のビュー画面と対応します。

View1であれば右側のビュー全体を対象とします。

Redであれば、今回の例ではアキシャル断面が表示されているので、アキシャル断面がマルチスライスの対象となります。

Animation mode

slice sweep, slice fade, sequenceから選択できます。

マルチスライス画像を作製するにはslice sweepを選びます。

Start / End sweep offset

これはどこからどこまでの範囲をスライスするかを決めるものになります。

このとき、下図のように画像中にラインを表示させておくと、Start / End sweep offsetのスライダと連動してコロナル断面上の赤いラインが動くので位置を決めやすいです。

例えばMaster viewをGreenにしてコロナル断面のマルチスライス画像を作りたい場合は、Start / End sweep offsetのスライダを動かすとサジタル断面上の緑のラインが動きます。

Master viewを何にするかによって連動する場所が変わりますので、混乱しないようにしましょう(容易に想像できるとは思いますが)。

Output type

image series, video, lightbox imageから選択できます。

マルチスライス画像を作る場合はlightbox imageにします。

Number of images

Start / End sweep offsetで決めた範囲を何分割するのかを指定します。

ここは好きに決めてください。

行と列の数は、(3行x4列=)12分割や(5行x6列=)30分割など、切りの良い数字が良いでしょう。

あとは自分の目的に応じて細かく分割するのか大雑把に分割するのか決めてください。

ただし、ここで1点注意が必要です。

マルチスライス画像の列数はデフォルトで6列となっています。

ここから先は限定公開です
この続きの文字数: 「1601文字」

すでに購入済みの方はこちら

ABOUT ME
小倉 淳
小倉 淳
テクニカルフェロー / 個人事業主
国立研究機関(医療系)の非常勤研究職員であり、大学の保健医療学部で非常勤講師として毎年60コマ以上の講義・演習を担当。  

自身のプログラミング技術を活かすため、個人事業OguLinksを立ち上げ、教育・研究機関の研究者を対象にPythonプログラムの開発等を請け負っています。  

臨床検査技師と精神保健福祉士の有資格者。  

経歴等(→ResearchMap)
スポンサーリンク

購読には会員登録が必要です

「半角英数字」と「大文字1個以上」を含む、8文字以上

会員登録には 利用規約/特定商取引法に基づく表記 への同意が必要です。

すでに会員の方はこちら

ログインして記事を読む

メールアドレス
パスワード
パスワードを忘れた方
新規会員登録はこちら

パスワード再設定

パスワードを再設定します。入力したメールアドレスに再設定用のURLをお送りしますので、パスワードの再設定を行なってください。
キャンセル
記事URLをコピーしました